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【演技のオーディション対策】演技に絶対必要な自分の「個性」とは何か?


本記事の内容はYOUTUBE版でもご覧になれます。文字が苦手な方は「聞くレッスン」をどうぞ。現在、一般公開に先駆け限定公開にて特別公開中です。

 

グッドアクト!アクガレージ主宰、監督の中村です。


今回みんなに伝えたいのは「個性」とは何か?です。


演技に個性は絶対に必要不可欠であり、最も重要な要素の一つです。これ、めちゃくちゃ重要な事なので、最後までしっかり読んでくださいね。


この記事は、特に演技未経験者・初心者の方にとっては複雑に感じる方が多いかもしれません。言葉の意味を捉えながら読んでいけば理解できますので、ゆっくり落ち着いて読んで下さい。そして繰り返し読むことで理解が深まります。


始めに何で重要なのかをお伝えします。


一つ目は「オーディション対策」に絶対的に必要だからです。


私は自分が監督やプロデュースした映画、企業系の映像制作などのオーディションで数千という俳優を見てきました。その中で、あくまでも演技に着目した点において、良い俳優とそうでない俳優の大きな違いがある事に気付きました。


【外見】と【内面】と【もう一つの個性】を認識している俳優か?


という点です。


【もう一つの個性】は後ほど説明します。また、これは理屈として理解している俳優もいれば、感覚として理解している俳優もいます。前者である場合は確認として、後者である場合は、しっかりと理屈として捉えると確信に繋がるでしょう。そして、演技初心者、未経験者の方は、こういった理屈・理論があるという事を知った上で今後の演技力向上やオーディションに生かして下さい。


二つ目は「演技に根本的に必要」だから


です。これはものすごく広い定義ですが、とにかく演技に絶対必要な感覚なのです。


上記二点を踏まえて説明していきます。


まず、個性で分かりやすいのは「外見」です。容姿とも言えますが、これこそ変えようのない唯一無二のものですよね。ただ、役に合うように服装や髪型など変えられる範囲で役のイメージに近づけてオーディションに臨む事も多いかと思います。


そして「内面」です。つまり「性格や感性・感情」の事ですね。明るい、暗い、真面目、前向き、人見知りなど。


この「外見」と「内面」は自己認識しやすいと思います。自分の個性を聞かれた時には特に「性格」を答える人がほとんどです。「外見」については自分では答えにくいですよね。イケメンとかカワイイとかw


「外見」と「内面」は、言うか言わないかは別として、自己認識していたり、何となく答えられる人が多いと思います。


しかし、今回伝えたいのは、この2つではありません。


もう一つ、とても重要な個性があります。前述した「もう一つの個性」とは?


それは「自分の思考」です。


個性を大きく3つに分けると「思考」「内面」「外見」に分ける事ができます。


この「思考」を「個性」としてしっかりと自己認識できている俳優、もしくは理屈としては理解していないが「感覚」として理解している俳優が「良い俳優」になる可能性を秘めた人です。


では「自分の思考」が「個性」とは一体どういう事なのでしょうか?


演技をするには、台本に書かれていない部分の想像力がとても重要になります。つまり設定(バックグラウンド)の想像力と発想力です。


例えば「疲れた」という台詞があるとします。この台詞の裏には何で疲れたのか?どれだけ疲れたのか?という「設定」があります。その設定次第で「疲れた」という台詞の言い方が変わります。そしてその設定を想像するのが、いわゆる「読解」と言われるものです。


「読解力」とは、その言葉に含まれた意味を読み解く力の事。読解には想像力や発想力が必要になります。


では想像と発想は一体どこからやって来るのかでしょうか?


それは、自分自身の経験つまり「実体験」、そして、知ってること、見たこと、聞いたことの「知見聞」から想像・発想しています。


当たり前の事ですが、自分が知らない事が思い浮かぶ事はありません。


想像力と発想力は「実体験」と「知見聞」の情報量の大きさです。


つまり自分の知っている情報の中で台本を読解し、感情を作り出し、表現を生み出しているわけです。


演技を生み出しているのは個々の「情報」であって、それは「歩んできた道のり」でもあるのです。この事を前提にすると、知っている情報によって個々の演技が変わるのが分かると思います。


設定(情報)→ 感情 → 表現


の順番で演技を作っているという事です。


優秀な俳優は「疲れた」という台詞を、自分の知っている情報から無数のパターンを作り出し、台詞の前後の状況から最善のパターンを選択し表現に繋げているのです。


つまり、自分の「記憶」から呼び起こした情報を使って演技を生み出しているのです。


記憶や情報は俳優によって違います。つまりそれは唯一無二の「個性」なのです。


想像と発想は、記憶そして思い出などの情報であり、歩んできた道のりです。そしてその道のりに同じ道はなく、それぞれが違う情報を得て、唯一無二の「思考」を作り出しているのです。


そう、「思考」こそが「個性のかたまり」なのです。


その「思考」を自信を持って、演技に反映することのできる俳優こそ、「良い俳優」と言えるのです。


自分の思考を個性だと認識している俳優は、「個性的」な演技を生み出しやすく、それが必要不可欠だという事を知っているのです。


でも、演技を続けていくと、時にそれは「苦悩」も伴う事になるでしょう。


何故か?


それは自分の「情報量の乏しさ」や「平凡さ」に気付いてしまうからです。


演技力の向上は自分を見つめる事、自分を知る事、つまり客観性を身に付ける事で高まります。


その「平凡な思考」の自分を変えたい。情報量を増やしたい。という思いが、自分の経験と知見聞を増やすための様々な取り組みに繋がり、努力をしていく活力となるのです。


誰も経験した事がないような事を体験できれば特別な個性を手に入れられるから。その「特別な個性」とは、実体験から得た、誰も知り得ない自分自身の記憶、つまり「特別な思考」です。


「特別な思考」を手に入れ、その先の自分の演技力に多大な影響を与えるような、特別な経験をしていきたいと願い、新たな領域へと自分を導いていこうと努力を積み重ねる事が俳優としての成長なのです。


「思考」が個性だと理解すれば、俳優として何をすれば良いかを考える大きなきっかけになるのではないでしょうか?


知的財産なんて言葉もあります。俳優こそ、知的財産のかたまりなのではないでしょうか?だって自分の情報から表現を生み出している分けですから。


そして、「オーディション対策」に関してです。


オーディションで求められているのは「個性」です。


「思考」の意味を理解すれば、オーディションで「個性」を発揮しやすくなるでしょう。


個性的な俳優とは、突飛な事をあえてするような、その場しのぎの演技をする人という意味ではありません。しっかりと地に足を着けて、自分の理に適った思考からリアリティーを生み出す力を持った人の事を指します。


つまり「自分の思考」を個性としてしっかり認識し、演技を生み出す事の出来る俳優を求めているのがオーディションなのです。それが出来なければ最終選考に残れる可能性は低いでしょう。


色々と複雑な事を書きましたが、簡単に言うと、


オーディションでは、自分を隠さず、自分の思考から出て来る想像と発想を素直に使い、周りの演技に流されず、自信を持って自分の演技を発表して下さいね。


という事が言いたいのです。


「個性」と「思考」の意味をしっかりと捉えて、オーディションに挑んでみて下さい。


グッドアクト!


※参考リンク【これを知っていると本記事の内容がより深く理解できます】

演技は「設定」→「感情」→「表現」で出来ており、これを「演技の三大要素」と言います。簡単に言うと、「表現」をする為には「感情」を作らなければならず、感情を作る為には「設定」が必要という絶対に知っておかなければならない演技の基本です。YOUTUBE版で詳しく説明していますので是非ご覧ください。現在、一般公開に先駆け限定公開にて特別公開中です。


 

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※本記事に書かれた演技に関する学びは、執筆者である中村英児が自身の俳優・監督・トレーナーとしての経験に基づき、独自のメソッドとして伝えています。記事の無断転載はお控えください。

 

中村英児 (アクトガレージ主催トレーナー)

俳優 映画監督 映像クリエイター

株式会社プロダクションガレージ代表取締役(映像制作会社)


日本映画監督協会会員。1999年より俳優として活動。俳優業の傍ら、Vシネマでの脚本執筆をきっかけに、監督として長編映画8本を制作し都内単館映画館で次々とロードショー公開。企業のプロモーションビデオも多く手掛け、2017年、映像制作会社を設立し代表に就任。主な出演作に「アウトレイジビヨンド」(北野武監督)、「任侠ヘルパー」(準レギュラー/フジテレビ)、主な監督作品に「SAMURAI SONG」、「ニャチャンへ続く道」(ドキュメンタリー)、「つながり」(はづき虹映監修)等がある。アクトガレージでは主催トレーナーを務める。監督・俳優としての両面から指導出来る事が強み。

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