中村英児

2023年5月6日

映像俳優と舞台俳優の違い【演技を習う】

最終更新: 2023年8月14日

グッドアクト!アクガレージ主宰の中村です。

今回はよく聞かれる事の多い「映像俳優と舞台俳優の違い」についてです。

※映像演技と舞台演技の違いはこちらの記事で紹介しています。

演技をこれから始めたい方にとっては、自分の向き不向きや、行きたい方向性を判断する上で重要な事かと思います。出来るだけ分かりやすく書いていきますので、今後の参考に是非最後まで読んで下さい。

映像俳優と舞台俳優の違いはズバリ「表現」「環境」「技術」の3つに分ける事ができます。

①演技の表現

・映像俳優はリアリティを追求し、より自然な表現を求められる。

・舞台俳優は観客との距離を意識し、腹式発声や大きな身体表現が求められる。

②演技の環境

・映像俳優はシーンに必要な実際のロケ地に行き、カメラの前で演技をする。

・舞台俳優は劇場で作られたセットの中で、観客の目の前で演技をする。

③演技の技術

・映像俳優は基本的にカット割りでの演技が求められ、OKテイクを使用し編集される。

・舞台俳優は一度始まったらやり直しが効かない一連でのお芝居が求められる。

上記の3つが大きな違いです。

映像俳優と舞台俳優は「役作り」は同じでも「表現方法」に明確な違いがあります。

映像俳優はリアルを演じ、舞台俳優はショーを生み出す。

演じる上でどちらが魅力的に感じますか?

でも俳優・女優であれば、長く演技の世界に身を置くほど、ほとんどの場合は両方を経験するものです。

演技は個性。それが魅力。

映像と舞台に関わらず、演じる人の個性や、考え方、方向性で、同じ役でも演者によって全く別の人格を形成し、違ったアプローチで表現する事になります。演技の基本を大切にした上で、いかに自分らしく演じるかが、役の魅力に繋がります。

演じる場所や媒体によっても「表現の使い分け」が必要

また、映像表現ではTVドラマ、映画、CMなどの媒体によっても求められる表現が違ってきます。テレビドラマは大衆性を求めた分かりやすい演技、映画はより繊細なリアリティ、CMはインパクトのあるダイナミックな表現などを求められます。

舞台表現は小劇場から大劇場まで、または野外での演劇もあったり、それぞれの環境で、演技の大きさ、身体表現を変えていく必要性があります。

以下に箇条書きでポイントをまとめてみます。

▶映像俳優

・テレビや映画などの映像作品に出演する。

・撮影現場では複数のカメラが使用され、繊細なニュアンスの表情や仕草も撮影される。

・撮影が行われるセットや照明、音響などの環境が整えられるため、演技に集中しやすい。

・演技が編集されたり、CGや特殊効果が加えられたりすることもある。

・撮影のスケジュールが細かく決められているため、短期間での出演が可能。

・演技に対してリテイクが可能であるため、表現の修正がしやすい。

・撮影は細かくスケジュール管理されており、香盤表が配られ、シーン順ではなくランダムに撮影を行う事が多い。

・撮影現場では、演技に対するフィードバック(演出・要望)が即座に得られることが多い。

・撮影は繰り返し行われるため、演技のテストができる時間がある。

・作品は編集の工程で完成するため、完成形がイメージできないことがある。

▶舞台俳優

・演劇やミュージカルなどの舞台作品に出演する。

・舞台は一度始まったらやり直しがきかないため、出演直前に独特な緊張感が体験できる。

・舞台の空間や声のボリュームは、演者自身が調整し表現する必要がある。

・演技の動き、段取りなど、スタッフとの連携が重要であり、完璧に表現することが求められる。

舞台では、演技の強弱やテンポなどを自分自身で制御しなければならない。

・舞台上での演技には、演者の経験や技術などの実力が大きく反映される。

・舞台では、演者自身が表現するため、演技の調整が即座にできることが多い。

・舞台作品は演者と観客が一体となって作品を創り上げるため、演技により強い感情を持って観客に伝えることが求められる。

・舞台作品によってではあるが、演者自身が歌唱やダンスなどの演技も必要になる場合が多い。

舞台作品は上演期間が限られているため、長期的に作品が観られる可能性が低い。

以上。

いかがですか?

書いていてキリがないなと思いながらもまとめてみました笑

演技を習う方は是非今後の活動の参考にしてみて下さい。

それでは良き演技ライフを!グッドアクト!!


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※本記事に書かれた演技に関する学びは、執筆者である中村英児が自身の俳優・監督・トレーナーとしての経験に基づき、独自のメソッドとしてお伝えしています。記事の無断転載はお控えください。


アクトガレージ主宰講師 中村英児

中村英児 (アクトガレージ主催トレーナー)

俳優 映画監督 映像クリエイター

株式会社プロダクションガレージ代表取締役(映像制作会社)

日本映画監督協会会員。1999年より俳優として活動。俳優業の傍ら、Vシネマでの脚本執筆をきっかけに、監督として長編映画8本を制作し都内単館映画館で次々とロードショー公開。企業のプロモーションビデオも多く手掛け、2017年、映像制作会社を設立し代表に就任。主な出演作に「アウトレイジビヨンド」(北野武監督)、「任侠ヘルパー」(準レギュラー/フジテレビ)、主な監督作品に「SAMURAI SONG」、「ニャチャンへ続く道」(ドキュメンタリー)、「つながり」(はづき虹映監修)等がある。アクトガレージでは主催トレーナーを務める。監督・俳優としての両面から指導出来る事が強み。

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