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監督と俳優の関係

アクトガレージ主催トレーナー・監督の中村です。


監督と俳優の関係は非常に繊細です。


俳優は監督と仲良くなりたいと思うでしょう。その後の仕事にもメリットがあるかもしれないですしね。もちろん気が合って、仲良くなるのもいいと思います。ただ、気を付けなければならないこともあります。


ドラマの監督は、制作しているドラマの役のイメージを大切にします。


もし、オーディションに合格してその監督作品に初めてキャスティングされたとしたら、特に監督はその俳優を「役のイメージ」で見ている傾向があります。そこで自分の性格をさらけ出してしまうと逆効果になってしまう事もあります。性格が良い悪いの話ではなく、あくまでも配役と比較してという意味です。


僕も監督としてオーディションで選んだ俳優をキャスティングした際に、役のイメージと普段の言動があまりにもかけ離れていると、そのギャップを埋めることが出来ず、画面上での演技が妙に嘘っぽく見えてしまうなんて事もありました。


もちろん、当て書き(役を演じる俳優をあらかじめ決めておいてから脚本を書くこと)をしない限り、役のイメージと日常の性格が一致する事は滅多にない事だと思います。しかし、監督と距離を置く事も時には大切だという事を知っておかなければなりません。特に現場においては。


誤解しないで欲しいのは監督と仲良くなるなと言ってる分けではありません。


この記事は、監督と上手くコミュニケーションが取れなくて不安になっている俳優に向けたものです。


つまり、監督やスタッフに気に入られようと無理に接する必要はないという事です。


俳優として現場に参加したら役に徹する事に集中すればいいのです。


また、よくある事ですが、控え室や楽屋で台詞のチェックをしたくても周りの俳優が話しかけてきて最終チェックが出来ないなんて事もあります。僕はそういう時は外に出て適当な場所で一人で台詞チェックをしていました。


俳優は一番良い状態でカメラの前に立たなければなりません。他に気を使って、現場で失敗しては本末転倒です。


僕は俳優として現場に立った時に、監督と上手くコミュニケーションが取れない事に悩んだ経験が多々あります。でも自然体でいいし、無理に気に入られようとする必要もないし、実際そうやって教えてくれた監督もいました。自分の精神状態を出来るだけフラットに維持する事が大切です。カメラの前で役に入り込み、良い演技を見せてくれる事を制作者の皆が望んでいるのです。


監督はカメラの中の俳優をしっかり見ています。


余分な気を使う位なら、演技に集中して欲しいと監督は思うはずです。それが俳優に望まれている事です。


もちろん、上手くコミュニケーションが取れるに越した事はありません。ただ、それが出来なくても大丈夫だという事が伝えたいのです。


心配しなくても大丈夫。


監督は俳優の努力も真面目さも演技を見て分かります。


演技で評価される俳優になろう。

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※本記事に書かれた演技に関する学びは、執筆者である中村英児が自身の俳優・監督・トレーナーとしての経験に基づき、独自のメソッドとして伝えています。記事の無断転載はお控えください。

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執筆 中村英児

(アクトガレージ主催トレーナー)

俳優 映画監督 映像クリエイター

株式会社プロダクションガレージ

代表取締役(映像制作会社)


日本映画監督協会会員。1999年より俳優として活動。俳優業の傍ら、Vシネマでの脚本執筆をきっかけに、監督として長編映画8本を制作し都内単館映画館で次々とロードショー公開。企業のプロモーションビデオも多く手掛け、2017年、映像制作会社を設立し代表に就任。主な出演作に「アウトレイジビヨンド」(北野武監督)、「任侠ヘルパー」(準レギュラー/フジテレビ)、主な監督作品に「SAMURAI SONG」、「ニャチャンへ続く道」(ドキュメンタリー)、「つながり」(はづき虹映監修)等がある。アクトガレージでは主催トレーナーを務める。監督・俳優としての両面から指導出来る事が強み。

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