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演技に「見本」を求めるな!

グッドアクト!アクトガレージ主宰トレーナー、監督の中村です。


今回は「演技に見本を求めてはいけない」という何とも酷なwタイトルについて綴っていこうと思います。


演技の未経験者、初心者の方にはキツい言い方になってしまいますが、演技に「見本」を求めないという感覚を身に付けていかなければならない理由を解説していきますね。


あくまでもそういう感覚に段々となっていって下さいねという意味なのでご安心下さいw


演技は基本的に俳優自らが作り出していかなければなりません。


演技はプレゼンテーションです。


オーディションは特にそうですが、俳優からのプレゼンテーションがあって初めて成立します。オーディションでは自ら演技を作る事ができる俳優なのかを見られています。つまり「自己演出能力」を試されているのです。そしてそれには様々な評価視点があります。その演技に信憑性があるか? 真実味があるか? 照れはないか? 理に適っているか? 魅力があるか? など様々です。


そして現場レベルでも俳優のプレゼンテーションが重要になります。


よくある勘違いが、【監督の「演出」が先にある】という思い込みです。


これは間違いです。先にあるのは俳優のプレゼンです。つまり、俳優が考えた演技のプレゼンがあって、それを監督が受け止めて「演出」するのです。俳優に演技プランがなければその作品は壊滅するでしょう。。。と、ちょっと言い過ぎかもしれないですがw


さて俳優のプレゼン能力に関してはまたの機会に詳しく説明するとして、本題です。


演技に見本を求めてはいけない。


何でもそうですが、この世の中には見本が溢れています。仕事でも見本が無い事はあまり無いのではないでしょうか?手取り足取り教えてもらえるかどうかは職場次第でしょうが、ある程度の形はあるはずだし、先人が作ったシステムに乗っかればある程度はスムーズに事が運ぶでしょう。見本が無いという環境は通常、あまり経験できない事かもしれません。


演技は創作です。


俳優は作品にキャスティングされた時点で、この世の中で一番初めにその役を演じた人になります。そしてそれはこの世の中で唯一無二のものになるのです。


ドラマにはリメイク版もありますが、それは例外とします。


俳優は他に代わりが無く、この世でただ一つの貴重な存在です。


だからこそ俳優に求められるのは「個性」なのです。


作品のプロデューサーや監督も俳優のキャスティングには気を使います。唯一無二の作品制作の中心を担ってもらうわけですからね。


役を演じるという事は、そこに見本が無いという事なのです。


過去に同じような役やシチュエーションの作品があれば参考にできるし、好きな俳優の演技を参考にし、研究することは必要不可欠です。ただ、自分が初めて演じる役の演技は当然のことながらこの世の中には存在しません。


監督やキャスティングが違えば同じ台本でも全く違う作品が出来上がるでしょう。でも世の中に出せるのは1パターンです。何パターンもの構想がある中で、一つしか選択できないのです。


俳優は唯一無二の存在だからこそ価値があるし、だからこそとてつもなく大きな魅力があるのだろうと思います。


俳優はこの世で初めて制作される誰も観た事がないストーリーを監督・スタッフと共に0から作り上げていくのです。


俳優はその重要な一翼を担い、それを自己認識し、自らの考えを演技に反映し、自信を持って演じ切らなければなりません。


見本という「甘え」にすがる事が出来ない職業なのです。


時に自信を喪失してしまい、見本を求めることもあるでしょう。そういう時は、先輩や同期、トレーナーに相談する事も重要になりますが、最終的に決めるのは自分自身です。


プレッシャーを与えてしまうような記事になりましたが、知っておいて欲しい事なのです。これを乗り越えてこそ、その先に光があるのです。


グッドアクト!

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※本記事に書かれた演技に関する学びは、執筆者である中村英児が自身の俳優・監督・トレーナーとしての経験に基づき、独自のメソッドとして伝えています。記事の無断転載はお控えください。

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中村英児 (アクトガレージ主催トレーナー)

俳優 映画監督 映像クリエイター

株式会社プロダクションガレージ代表取締役(映像制作会社)


日本映画監督協会会員。1999年より俳優として活動。俳優業の傍ら、Vシネマでの脚本執筆をきっかけに、監督として長編映画8本を制作し都内単館映画館で次々とロードショー公開。企業のプロモーションビデオも多く手掛け、2017年、映像制作会社を設立し代表に就任。主な出演作に「アウトレイジビヨンド」(北野武監督)、「任侠ヘルパー」(準レギュラー/フジテレビ)、主な監督作品に「SAMURAI SONG」、「ニャチャンへ続く道」(ドキュメンタリー)、「つながり」(はづき虹映監修)等がある。アクトガレージでは主催トレーナーを務める。監督・俳優としての両面から指導出来る事が強み。

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