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演技の「間」を楽しむ方法。

グッドアクト!! アクトガレージ主宰トレーナー、監督の中村です。


演技にとって「間(ま)」はとても重要であり、無くてはならないものです。


はじめに言っておきたい事は、演技には ”暗黙の了解” があるということです。


沢山のそれがありますが、今回もその一つです。


俳優は演技中に「間をとる事が許されている」という暗黙のルールがあります。それを知らなければ「間」は成立しません。このルールを知らない者同士で演技をすると、間の無い=リアリティーの無い演技になってしまいます。


普段の会話中には「間」が存在します。


では会話中に生まれる「間」とは何か?紐解いていこうと思います。


「間」は普段、会話をする上で、大抵の場合、無意識の下で生まれています。では、どのような時に間が生まれるのでしょうか?


・次の言葉を探している、迷っている。

・感情的になっていて言葉が出てこない。

・考え事をしている。

・言おうとした言葉をのみ込む。

・あえて何も言いたくない。

・恥ずかしい、緊張している。

・相手の考えている事を想像している。


普段は上記のように様々な理由で会話に「間」が存在しています。


でも(特に未経験者・初心者に多く見られことですが)、演技になると突然「間」が無くなってしまうのです。


それは何故か?


一番の理由は「未来を知っている」からです。


演技には台本があります。台本には役が言うべき台詞が書かれています。つまり「未来」が書かれているのです。


俳優は台本をもらい「未来」を知る事で、スラスラと次の言葉を言えてしまうのです。


また、間を空ける事が許されているという「暗黙のルール」を知らない事で、焦って次の台詞を追ってしまったり、相手役に気を使ったり、台詞を忘れたと思われる等の理由で「間」を空ける重要性に気付けないのです。


これはほとんどの演技未経験者・初心者が陥ってしまう事象です。


映像演技に求められるのは「リアリティー」です。


俳優はそのリアルを再現できなければなりません。


では、どのように演技の「間」を作れば良いのでしょうか?


ただ単に次の台詞を言うまでに時間を空ければ良いという事ではありません。それをやってしまったら「手持ち無沙汰」になり、いてもたってもいられず演技どころではないでしょう。


先に書いたようにリアルには様々な理由で「間」が存在します。


普段の会話はシリアスな場面ほど感情(内面)と共に進行しています。そして相手の言う言葉に耳を傾け、相手の言葉を聞いてから考えて次の言葉を生み出します。


つまり、


聞く、思う、言う。


を繰り返しているのです。


未来(台詞)を知ると、この作業を怠ってしまい、自分が与えられた台詞の事で精一杯になってしまうのです。


「間」は「思考」であり、「感情」であり、「相手への思い」です。


つまり、言葉と言葉の間に「役が思っている事」が存在するのです。


台詞は、


「聞いて」(相手の台詞を聞いてその意味を理解する)


「思って」(意味を理解した上で次の言葉を導き出す)


「言う」(言いたくなったタイミングで言う)


事がものすごく重要なのです。


演技の「間」を楽しむ方法。

それを知れば演技がもっともっとうまくなる!!


※補足です。


「間を必ず空けよう」という意味ではありません。もちろん、「間」の無い会話も存在します。全てにおいて間が必要という事ではないのでご理解下さいね。


そして、「間」は「個性」です。同じ台詞でも人によって様々な間の長さがありますので、この記事を参考に自由な間を使って演じてみて下さい。


更に!監督(演出家)、また撮影現場、作品の方向性によっては、テンポよく、間を極力排除しようとする事も多いです。ただ、長い「間」にも耐えられる演技は絶対的に必要です。俳優は「間」を調整できなければなりません。その時の状況によって臨機応変に対応出来る能力を身に付けよう。


グッドアクト!!


こちらでは演技の「間」を違った側面から解説しています。

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※本記事に書かれた演技に関する学びは、執筆者である中村英児が自身の俳優・監督・トレーナーとしての経験に基づき、独自のメソッドとして伝えています。記事の無断転載はお控えください。

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アクトガレージ主宰講師 中村英児

中村英児 (アクトガレージ主催トレーナー)

俳優 映画監督 映像クリエイター

株式会社プロダクションガレージ代表取締役(映像制作会社)


日本映画監督協会会員。1999年より俳優として活動。俳優業の傍ら、Vシネマでの脚本執筆をきっかけに、監督として長編映画8本を制作し都内単館映画館で次々とロードショー公開。企業のプロモーションビデオも多く手掛け、2017年、映像制作会社を設立し代表に就任。主な出演作に「アウトレイジビヨンド」(北野武監督)、「任侠ヘルパー」(準レギュラー/フジテレビ)、主な監督作品に「SAMURAI SONG」、「ニャチャンへ続く道」(ドキュメンタリー)、「つながり」(はづき虹映監修)等がある。アクトガレージでは主催トレーナーを務める。監督・俳優としての両面から指導出来る事が強み。

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